喫煙者の使用していた部屋の危険性について




Photo source: Fabrizio Bensch / Reuters

三次喫煙の危険性

Third-hand smokeを直訳すると「三次喫煙」だが、日本ではほとんど知られていない言葉である。電車に乗っている時に
タバコ臭い人がいませんか。また、喫煙室から出てきた喫煙者がとてもタバコ臭い、そうした経験があると思います。
それが三次喫煙です。喫煙室で喫煙者の衣服にこびりついたタバコの有害物質が喫煙室で出てもなお周囲に放出され、
他人の健康被害を与えます。ホテルの喫煙客室を利用した場合、喫煙者がその場にいなくても三次喫煙の被害に
遭ってしまいます。PM2.5(微小粒子状物質)は、喫煙者がその部屋に入ることによって増加することも分かっており、
高いPM2.5の数値を見ただけても三次喫煙の恐ろしさを実感できます。米国の調査によると、PM2.5が10mcg/squm
増えると心臓や肺の病気による死亡率が9%、肺がん死亡率が14%、全死亡率が6%増えており、死に至る病気とPM2.5濃度
との間には高い関連性が証明されております。

喫煙に安全なレベルは存在しません。タバコの火を消した後でも残るタバコ煙の有害物質は残留します。子供たちが
真っ先に、こうした三次喫煙の被害者となるのです。カリフォルニア州バークレーにあるローレンス・バークレー国立研究所
科学者、ララ・グンデルは「火のついたタバコから生成されるニコチンなどの物質は空気中に存在しているのではなく、ものの
表面に吸着している」と述べています。特に注意を要するのは、ニコチンと空気中の亜硝酸が反応して生成される TSNA
(タバコ特異的ニトロソアミン)という強力な発ガン物質なのです。これは空気中に存在するのではなく、タバコの喫煙に
伴って部屋や、ものの表面に付着して層を形成しています。

こうした三次喫煙を防止するには空港、鉄道、自動車、ホテル、賃貸住宅など屋内空間での喫煙を禁止するすることしかない。


発癌リスクだけでない三次喫煙の懸念

室内での喫煙による煙は空気中の汚染物質と結合し、発癌性が疑われる化合物を形成する。また、この物質は何十年にも
わたって残存する可能性が指摘されている。三次喫煙は現実に、いたる所に存在している。室内喫煙者たちは、火をもみ
消してから何年間も持続する有害な負の遺産を知らないうちに残している。

タバコの煙の残留物はオゾンや亜硝酸といった室内汚染物質と結合し、新たな化合物を形成することが研究によって明らかと
なっている。ホコリと混ざり合って堆積した残留物はカーペットや家具の表面にこびりつき、羽目板や乾式壁の多孔質材に
深く入り込む。この新たな化合物は、除去が難しいだけでなく性質が長期にわたって持続し、発癌性も疑われる。

中でも、NNAとして知られるタバコ特異的ニトロソアミンはDNAに損傷を与え、癌を引き起こす可能性がある。カリフォルニア
州のローレンス・バークレー国立研究所で研究を行うボー・ハン氏は、今週この研究が発表されたアメリカ化学会の年次総会で
開かれた記者会見で、「三次喫煙はヒトの遺伝物質に有害」「汚染物質の毒性は時間とともに強まる」と述べた

心配なのは発癌リスクだけではない。三次喫煙は、ぜんそく発作やアレルギー反応を含む他の健康問題にも関与する可能性がある。
過去に喫煙者が長時間いたことのある室内空間には、かなりの残留物が存在する可能性がある。フローリングや乾式壁を取り
除かない限り、この物質を除去することはまず不可能である。

賃貸住宅を借りるときに、その部屋が今まで喫煙者が使用していたか否かが、これから借りる人の健康を大きく左右する。
賃貸住宅内での喫煙禁止が望まれ、米国などで既に実現している州がある。日本の現状ではまだ難しいと言える。
その部屋を借りるときは以前に居住されていた人が喫煙者であったか否かを確認した方がよい。しかし、不動産屋の記録には
そうした記述はない可能性が高いので、自分の健康を大切にする人は全面禁煙の賃貸住宅を探すしかない。


(参考資料)2014年03月24日付毎日新聞


賃貸物件内は全面禁煙であることが最優先項目
執筆 医学博士 宮本順伯
Junhku Miyamoto, PHD. 2014年4月執筆 2016年8月加筆



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