健康増進と矛盾した医師会主催の新年祝賀会 ●
2006年開催時は全面禁煙に
No smoking New Year Party at Shinjuku Medical Society
2006-2010





2005年1月、新宿駅近くの京王プラザホテルで地区医師会の2005年新年祝賀会が催され,234名が集まった。

来賓に衆参議院委員、海江田万里、与謝野肇、竹見敬三、保阪三蔵、中川雅治氏の大御所が名を連ね、都会議員、
秋田一郎、藤井富雄、大山とも子、 富田俊正氏などの面々を迎え、中山弘子新宿区長をはじめ、多数の新宿区議会
議員が招待され、出席された。

新宿区医師会長、新宿区長などの祝辞があり、そのなかで、新宿区と新宿区医師会とのガン検診事業、 生活習慣病
予防のための成人病検診事業など、健康増進のための協力関係とその成果を確認し、今後も区民の健康増進をさらに
推し進めて行く決意が述べられた。

式典の後、祝宴に移った。宴会場のすぐそばにタバコ自販機が設置されており気にかけていたのだが、すべての
テーブルに灰皿がおかれているのには愕然とした。予め、医師会責任者に祝宴会場から灰皿を撤去しておくよう要望、
健康を推進する医師会の姿勢をはっきりと示すべきであり、健康増進法により主催者に受動喫煙防止義務が課せ
られていることを注意しておいたのだが、 理解してもらえなかったようである。

いくつかのテーブルに陣取った多くの新宿区議会議員は、全く何のためらいもなく、すぱすぱと喫煙し、その煙が
医師会員のテーブルへも流れて来る有様で、ある議員は タバコを吸いながら医師会幹事の席を訪れ、煙の漂う中で
会話していた。

新宿区は「歩行中の迷惑タバコは絶対に止めよう」との標識を目抜き通りに掲げているが、多くの議員らは、タバコ
副流煙の有害性を無視し、招待された宴席で受動喫煙の加害者となる迷惑行為に及んでは、スローガン自体が全く
空虚なものであることが読み取れる。
 
国会議員、都会議員、新宿区長、区会議員を招待しておきながら、 「タバコは吸えません」と喫煙を制限することは
礼を失する行為に当たるのであろうか。「触らぬ神に祟りなし」と、喫煙する政治家に遠慮して、あえて健康増進法の
受動喫煙防止義務違反である事実に目をつぶったのだろうか。しかし、それでは「生活習慣病予防のための検診などの
健康増進事業」のうたい文句とは完全に矛盾してしまう。

他の地区で開かれ、市長、医師会長、薬剤師会長、国会議員が招かれた歯科医師会の新年会では会場内の灰皿 を撤去し、
受付に「会場内は禁煙とします」と書いた垂れ幕を掲げ、空気の汚れていないクリ−ンな環境で新年を祝ったと聞く。
こうした対応と考え併せるとき、地域医師会関係者や区議会議員などの政治家が、実際にタバコの煙に含まれる有害
物質から住民を守って行こうする意欲があるのかどうか、その差が祝宴という一つの出来事において顕著に表れている
ようにも思える。 

執筆 2005年1月10日 
「禁煙席ネット」主宰  医学博士  宮本順伯




 2006年1月5日、京王プラザホテルにて恒例の2006年新宿区医師会祝賀会が、多数の来賓と医師会員の参列の
もと盛大に開催された。乾杯の音頭のあと「会場内は禁煙とさせていただきます。喫煙を希望の方は係のものが
ご案内いたします」とのアナウンスが流れた。このとき全く予期していなかった「ウワァー」とも「ウオォ」とも聞き
取れる大きなどよめきが会場内にこだました。新年祝賀会の長い歴史のなかで画期的な瞬間である。

医師会主催の祝賀会は新しい年の門出にふさわしく、汚染されていない空気のもと、なごやかな雰囲気で進行して行った。
宴会終了後にホテル責任者に聞いてみた。具体的な数こそ知らされなかったが、たくさんの出席者を廊下片隅の喫煙所に
案内したそうである。つまり新宿区会議員を始め、来賓には喫煙常習者が非常に多かったことを裏付けた話だ。多数の
喫煙習慣者をかかえている新宿区議では、自らの体面上罰金徴収に賛成出来ないのもうなずける。

新年祝賀会が終了した後にホテル担当者に聞いてみた。「会場内禁煙としたことへのクレームはありましたか」 ・・ 
答えは「一切ありませんでした」。

この舞台裏では次のようなやり取りがあった。筆者は今回の祝賀会にて禁煙規制の要望が受け入れられたか、一抹の不安が
あったので、宴会開始一時間前にホテルの宴会責任者に問いただした。担当責任者が医師会事務局から受けていることは、
「会場内の灰皿を予め撤去し、喫煙希望者には、その都度灰皿をテーブルにお持ちするように」との指示であった。それは
筆者の事前の灰皿撤去申し入れにも配慮しながら、喫煙する来賓の要望も受け入れようとした苦肉の策なのであろう。
だが、これではレジ横に灰皿を積み重ね顧客の求めに応じて灰皿配る、健康増進法違反の喫茶店と何ら変わらない。そこで
ホテル宴席担当者を通じ、祝賀会責任者に宴席会場内での受動喫煙防止義務を遵守するよう強く求め、何十年となく毎年
続いていた宴席での反健康的な行為を排除出来たのである。

加筆 2006年1月10日 

2008年医師会新年祝賀会会場には灰皿はなく、来賓、医師会関係者全員が全面禁煙を確認し、誰一人タバコの火を
つける人はいなかった。

2010年医師会新年祝賀会を始めるにあたり「会場は禁煙となっております」とのアナウンスがあった。5年前の
大きなざわめきもなく、当然との雰囲気で特に反応は見られなかった。多数の新宿区会議員などの来賓を迎え、無論、
きれいな空気の元で新年のはじめを祝うことが出来た。ただ京王プラザホテルの他の宴会場では喫煙を許していた模様で、
ホテル通路にはタバコの臭いが立ちこめていた。たとえ医師会の宴席が国際的な禁煙規律にあっても、日本全体で見る
ときに、世界最低ランクに位置づけられたまま、海外からの人々の顰蹙をかき消すことは、とても出来ないという悲しい
現実がある。

加筆 2008年1月7日 加筆 2010年1月7日
「禁煙席ネット」主宰  医学博士  宮本順伯




  路上喫煙 NO:屋内喫煙 OK(英文)




政党別タバコ政策




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